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足関節捻挫の予後予測の検討
2008年05月27日

足関節内反捻挫後の復帰期間の検討
〜X線画像より〜

Key words: 足関節内反捻挫・X線正面像・復帰期間
○竹内 明禅・用皆 正文・中村 裕樹・五十峯 淳一・八反丸 健二(MD) 
【目的】
足 関節内反捻挫はスポーツ競技に限らず日常生活においても多くみられる外傷である。臨床上、X線において脛骨と腓骨の離開と脛骨に対する腓骨のアライメント に変化を認める場合がある。そこで、脛骨と腓骨のアライメントが受傷後の回復時期へ影響を及ぼすのではないかと考えた。
今回、内反捻挫後のスポーツ競技復帰及び日常生活復帰までの日数(以下、復帰期間)を調査し、X線上での定量的測定値がどのように復帰期間と関係があるのかを研究したので報告する。
【方法】
対 象は、当院にて足関節内反捻挫と診断を受けた38名(以下、N群:男性21名・女性17名、平均年齢:34.2±19.7歳)とし、障害度は1度:10 名、2度:22名、3度:6名で全て受傷後1±0.91日以内に受診した新鮮例とした。また、対象群としては足関節に器質的な問題のない健常人38名(以 下、C群:男性19名・女性19名、平均年齢:26.8±5.58歳)とした。    
方法は足関節X線正面像よりa.正面天蓋角b.内果傾斜 角c.果間傾斜角d.外果傾斜角(脛骨長軸に対して腓骨下端と距骨上外側を結んだ角度)e.脛腓骨間距離の5項目を実測した。以上よりN群とC群での各々 の測定値についてt検定を用いて比較検討し、N群に関しては障害度別に復帰期間に対する相関係数をピアソン積率相関分析にて分析した。
【結果】
1.C群と比較してN群のd、eは有意に高値を示した。(p<0.01・p<0.01)
2.N群において2度のd・e、3度のdは復帰期間に対してそれぞれ高い相関を認めた。(r=0.73・r=0.67、r=0.83)
【考察】
結果1より、足関節内反により距骨は回外に加えて水平面上での回旋や前外方への突出が起こる。その為、外力に対する骨性の制動が減少していることが考えら れ、靭帯・軟部組織に伸張応力が集中し脛腓靭帯結合へのメカニカルストレスが生じる。JB Billysによると脛腓靭帯結合は広範囲に小束(4箇所)を持ち、足関節内反捻挫で最も損傷を受けやすいと述べている。さらに前述した距骨の動きで脛 骨・腓骨間の離開が生じるため骨性支持機構への影響が推測され、脛骨に対する腓骨のアライメントに変化が生じたことが考えられる。
次に2度の損 傷は、脛骨・腓骨間の離開により遠位脛腓関節の不安定性をきたすことが予想され、距腿関節の靭帯による機能的安定化に大きな影響を及ぼすのではないかと考 える。よって、足関節全体が特異性機能不全に陥ることが推測され、脛骨・腓骨間に関わる測定項目d・eが復帰期間に影響したのではないだろうか。また、3 度の損傷では外側側副靭帯機構の複合損傷を伴うことが考えられ、脛骨・腓骨間の離開よりも脛骨に対する腓骨のアライメントがより復帰期間に影響するものと 予想する。
今回の調査で内反捻挫時に脛腓骨間距離と外果傾斜角を計測することで復帰までの足部の機能的回復とパフォーマンスへの影響を推測することができるのではないかと考える。


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UUMNディサースリア者に対する機能訓練
2008年02月01日

UUMNディサースリア者に対する機能訓練
〜一側性中枢性顔面神経麻痺に対するCIセラピーの効果〜
医療法人 慈圭会 八反丸病院
松尾 翼
【はじめに】
一 側性上位運動ニューロン性ディサースリア(以下UUMNディサースリア)は、比較的高頻度で一側性の顔面神経麻痺を認めると Duffy(1996,2005)やMelo(1992)は報告している。しかし、有効な訓練方法についての報告は検索し得た限りでは、菅原らおよび数例 と少ない。
今回、UUMNディサースリア者の一側性顔面神経麻痺に対してconstraint-induced movement therapy(以下CIセラピー)を12週間実施し、4週毎に経過を追ったところ、比較的有効な結果が得られたので報告する。
【CIセラピーとは】
CIセラピーとは健側の使用を制限して患側に集中的な運動を行わせることで改善を図るとするもので、本来は上肢の治療手技として報告された。しかし,西尾らによって一側性顔面神経麻痺者に対する治療手技として転用され、有効性が示唆されている。
【対象・方法】
対象は8事例。男性6例、女性2例。年齢は70.9±17.9歳。病名は全事例脳梗塞である。損傷部位は、右半球損傷4例、左半球損傷3例、脳幹損傷1例 である。重症度は、40点柳原法による重症度分類で判定し、中等度7例、重度1例である。また、全事例にMMSEおよびレーヴン色彩マトリシス検査を実施 し、訓練可能な認知機能が十分に保たれていることを確認した。
方法は、西尾ら(2007)によるCIセラピーの実施法に基づいて、口唇の横引き・突出・閉鎖の3課題を実施し、各課題時にそれぞれ「イー」、「ウー」、「ンー」の発声を併用した。
効果判定は、標準ディサースリア検査(以下AMSD)の口唇機能(横引き・突出・閉鎖・筋力)および40点柳原法を訓練開始時から4週毎に計4回行った。
訓練頻度は5日/週。また、等尺運動理論より1〜3セット/日、8回〜10回/セット行った。筋力強化訓練は3〜5秒/回を、持久力強化訓練は8〜10秒/回を目安に行った。
【結果】
AMSD口唇機能の初回評価時は1.94±0.44/3、訓練開始4週時2.34±0.84/3、8週時2.63±0.38、12週時2.84±0.59であった。
40点柳原法の初回評価時は26.75±4.75、訓練開始4週時31.0±7.0、8週時33.5±5.5、12週時35.25±3.25であった。
全事例の平均改善値はAMSD口唇機能で4週時平均0.41、8週時平均0.28、12週時平均0.25。40点柳原法では4週時平均4.25、8週時平均2.25、12週時平均1.75であった。
【考察】
非 麻痺側の運動を強制的に抑制することにより麻痺側の使用を促通した。その結果非麻痺側による運動の制御が解け、麻痺側の運動機能改善に繫がったと考えられ る。また、中等度のUUMNディサースリア例で比較的短期間の訓練により麻痺側の運動機能改善を得られることが示唆された。重度の事例では、短期間での改 善は図れなかったが、4週経過時より改善を認めており、長期的な展望では、かなりの改善が得られることが示唆された。


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UUMNディサースリア2例の臨床経過
2007年09月11日

医療法人慈圭会 八反丸病院    松尾 翼
第1リハビリテーション専門学校  木村 隆
新潟国際医療福祉大学       西尾 正輝

【はじめに】
UUMNディサースリアは比較的発現率の高いタイプだが,国内の臨床経過に関する先行報告例は我々が検索しえたのは菅原ら(2003)および数例のみである。今回,ほぼ同等の経過を示したUUMNディサースリア2例を経験したので報告する。

【症例(1)】
70 歳代女性。平成18年10月発症。医学的診断名は右放線冠のラクナ梗塞。発症後約3週間後当院転院。標準ディサースリア検査(AMSD)を実施。発話明瞭 度は2.5/5。主な聴覚的発話特徴は発話の短い途切れ,声量低下,粗糙性嗄声,構音の歪み,プロソディー障害を認めた。発声発語器官検査では主に中等度 中枢性左顔面神経麻痺を認めた。

【症例(2)】
70歳代男性。平成18年10月。医学的診断名は左脳幹梗塞。発症後約3週間後当 院転院。AMSDを実施。発話明瞭度は2.5/5。主な聴覚的発話特徴は発話の短い途切れ,粗糙性嗄声,気息性嗄声,開鼻声,構音の歪み,プロソディー障 害を認めた。発声発語器官検査では主に軟口蓋挙上不全,中等度中枢性右顔面神経麻痺および右舌下神経麻痺を認めた。

【主要治療プラン】
機能障害:#1顔面の機能回復訓練 #2舌の機能回復訓練 活動制限:#3発話速度の調節訓練 #4構音訓練

【臨床経過と考察】
上 記の訓練を12週間実施した結果,機能障害レベルでは2症例ともに顔面の運動範囲の拡大を認めた。症例?では,舌の筋力低下および鼻咽腔閉鎖機能不全は若 干残存した。活動制限レベルでは,強制的な発話速度調整法のフレージング法を選択し,その後症例?は明瞭度改善に伴い(2/5)リズミックキューイング法 へ移行した。症例?は発話明瞭度の改善は認めたが(2/5),フレージング法を継続した。2症例ともに機能障害レベル(顔面)の改善はほぼ同様に進み,山 川らも約12週間で顔面の運動範囲の拡大を認めたと報告している。以上より,UUMNディサースリア例に対する口腔構音機能訓練の有用性が示唆された。


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年齢と腰仙角が大腰筋に及ぼす影響について
2007年09月11日

キーワード:MRI・大腰筋断面積・腰仙角
医療法人 慈圭会 八反丸病院
中村 裕樹 リハビリテーション部
八反丸 健二 医師
屋部 太輔 放射線室

【目的】
日 頃臨床で、患者の評価をする時に評価結果と腰部MRIを比べながら今後のリハビリテーションの展開を考えることが多い。その際に脊柱管ばかりをより注目し がちである。しかし、脊柱を取り巻く筋もおざなりに出来ない。そこで今回大腰筋にスポットを当てて、面積や縦・横径について検討し、更に筋断面と腰仙角に ついても検討したので報告する。

【方法】
対象は当院で腰部MRIを撮影した患者207例(男性76例・女性131例、平均年齢63.8±19.9歳)であった。第4腰椎上縁で横断された画像を用い、左右の大腰筋の縦径・横径と筋断面積と第4腰椎々体面積を測定し、10代〜90代の各年代で比較検討した。
ま た、対象の中で静止立位側面腰椎X線像を撮影した31例(男性13例・女性18例、平均年齢61.8±17.9歳)について腰仙角を測定した。健常群の腰 仙角の平均値は35度であったので、35度を中間値とし対象者を35度未満の群と35度以上の群で分け、各群の大腰筋断面積について比較検討した。

【結果及び考察】
1.年代別に椎体面積を比較した結果、有意差は認められなかった。
2.年代別に.筋断面積を比較した結果、各年代で有意差があった。更に30代までの断面積と比べ80代以降では1/2の値であり加齢に伴う筋力低下が示唆された。
3. 年代別に縦径・横径について比較した結果、各年代で有意差を認めた。縦径は加齢に伴う変化は少ないが、横径は加齢による変化が大きかった。これは筋繊維が 上位の腰椎から始まるものは外側へ、下位の腰椎は内側へと層状に配列していることにより前後の変化より左右の繊維の萎縮がまず起こるのではないかと推察さ れた。
4.腰仙角35度未満と35度以上の群を比較した結果、筋断面積に有意差を認めた。腰仙角と腰椎前弯との関連は鈴木らによると腰仙角が増大 すると前弯角も増大するという関係にあると述べており、腰椎前弯の増大は体幹を伸展方向へと作用し、大腰筋へより負荷が生じることになる。今回も35度以 上の群でより高い値を示し影響が示唆された。しかし、腰仙角と腰椎の動きには個々で固有なものがあり一概に言えないところもあり、より詳細な姿勢と筋力の 分析を行い訓練することが必要と考える。それにより何によってもっとも影響を受けるのか、腰痛の軽減効果や他の筋群との関連性が今後の課題である。


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股関節の可動性とスイング速度の関係
2007年09月11日

〜インサイドキックに着目して〜
医療法人 慈圭会 八反丸病院 リハビリテーション部
竹内 明禅・高松 真理子・竹内 直人・五十峯 淳一
Key Word:インサイドキック・股関節外旋、屈曲・スイング速度

【はじめに】
サッカーにおいてキックの技術は重要かつ最も基本的な技術である。その中で、インサイドキック(以下、IK)は他のキックより膝関節等の動きがさほど関与 しない為、股関節の可動性が重要なキックであると考えられている。しかし、股関節筋力とキックスピードの関係についての報告はあるが、関節の可動性とスイ ング速度の関係についての報告は少ない。
今回、3次元動作解析装置を用いて股関節の可動性とキックスイング速度との関係について研究し、若干の知見を得たので考察を加え報告する。

【対象と方法】
対 象は下肢に問題がない鹿児島県社会人サッカーチームに所属する選手30名(男性)とし、平均年齢25±2.9歳、蹴り足:右側24名・左側6名であった。 方法として関節可動域(以下、ROM)訓練前後で蹴り足側の股関節のROMをゴニオメーターにて実測した。ROM訓練は関節運動力学における関節内運動を 考慮して実施した。尚、測定は治療者以外の同一検者とし、測定時の抵抗量は徒手筋力測定器を使用して均一に調整した。次に超音波式3次元動作解析装置 (Zebris社製)を用いてIK時のスイング速度を訓練前後2回ずつ計測し、平均値をデータとした。キック動作はワンステップとし、ボールからの距離を 計測して助走距離を同じにした。以上より訓練前後での股関節の可動域とスイング速度を対応のあるt検定を用い比較検討し股関節の可動域の変化とスイング速 度の変化値をピアソンの積率相関分析を用いて分析した。

【結果】
1.スイング速度及び股関節の可動域は訓練前と比較して訓練後が有意に増加した(p<0.01)。
2.股関節外旋・屈曲の可動域のみスイング速度の変化した値に高い相関を認めた(r=0.82・0.72)。

【考察】
ま ず、布目によるとIK時に股関節の伸展・外旋・屈曲・内旋とういう連動した動作をスムーズに行うことでスイング速度を早めることができ、可動域の向上とス イング速度は比例するとある。今回の結果から股関節の可動性を改善することで運動を円滑に行うことが可能となり、バックスイング期からフォロースルー期ま での一連のスイング動作がスムーズになったと考えられ、関節の量的な改善はスイング速度に影響することが示唆された。
また、IKの蹴り方は加速期 に股関節外旋を行うことで足部内側をボールに合わせる。その後、フォロースルー期までボールに対して前方への速度を与える為にはこの外旋を維持したまま股 関節を屈曲していく必要がある。結果2からも股関節外旋・屈曲がスイングスピードへの関与率が高いことが推察される。
今回、3次元動作解析装置を 用いてサッカー選手に対する股関節の可動性とスイング速度との関連性を客観的数値より検証した。そこで、筋力に対するアプローチ以外にも関節の可動性を向 上させることでスイング速度が増加することが分かった。今後は、可動域だけでなく神経・筋力の関与も考慮しつつスイング速度が向上するのかを検討する必要 があると考えられる。


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